誰でも出来る簡単な禁煙法 メール リンク集 更新情報
タバコ

ニコチン依存症と麻薬

タバコの煙に含まれるニコチンヘロインコカインよりも依存性の高い物質だと言われています。このような断片的な情報だけを見ると禁煙はとんでもなくハードルの高い物だと考えてしまいますが、それは大きな間違いなのです。

ニコチン依存症にまつわる不自然な話

私はニコチン依存症、つまりはニコチン中毒者はまるで麻薬中毒者だとニコチンのメカニズムで書いたが、ニコチン中毒者をヘロインやコカインの麻薬中毒者と同じように分類するべきかどうかにはあまり関心が無い。そもそもヘロインやコカインよりも依存性が高い、つまりはそれだけニコチンが止められない薬物だと言われても比較する事自体がおかしいのだ。時に統計といったデータは人を欺こうという目的で使われる事がある。例えばニコチン中毒者10人とヘロイン中毒者10人に対し依存症を改善する為の治療をしたとしよう。ニコチン中毒者は4人改善したが6人は依存したまま、ヘロイン中毒者は8人改善して2人は依存したままだとする。この数字だけでニコチンはヘロイン以上に止められない高い依存性を持つ麻薬だと言われたら一瞬信じてしまいそうになる。でもちょっと考えるとやはりおかしい事に気付く。

突然病院から電話が掛かってきて「貴方のご家族がヘロインの乱用で救急車で搬送されました」と言われたらビックリするし、信じない、信じたくないだろう。しかしそれが事実であれば、取り返しがつかなくなる前に直ぐにでもどうにかしなければと真剣に考える筈だ。一方で「貴方のご家族がタバコの吸い過ぎで救急車で搬送されました」、肺癌でも脳卒中でも無く単にタバコの吸い過ぎで気分が悪くなっただけだというオチだったら呆れる他ない。つまりは同じ依存症でも緊急性が大きく異なれば数値での比較に全く意味がなくなる。癌患者より虫歯を持つ人の方が多いから虫歯は癌より治療の難しい難病ですと言うようなものなのだ。

ニコチン中毒者は癌のような重病でも患っていない限りは依存治療にそれほど真剣にはなれないし、中毒者の家族にも同じ事が言える。ましてや違法薬物と違いニコチンの元であるタバコは成人なら合法であり入手も容易なのだから、一旦依存症から抜け出したとしても再び手を出しやすい環境にあるので誘惑に負けてしまう人も多い。禁煙者が再び喫煙者に戻れば罪悪感はあるだろうが、こっそり一人で吸い続けるなら自己責任で完結する話だ。しかし違法薬物の中毒者はニコチン中毒者の様にはいかない。違法薬物がもたら幻覚などの症状は他人を不幸に巻き込む可能性が十分にあるからだ。家族や社会の対応も大きく異なり場合によっては隔離病棟で一時的に監禁されるかもしれない。これはニコチン中毒者では絶対ありえない話だ。それを踏まえた上でニコチン依存症とヘロインやコカインといった違法薬物の依存症を比較した際、ニコチンの方が本当に依存性が高いと言えるのだろうか?私はヘロインやコカインといった薬物を使った事が無いしこの先大手術でもしない限りは使う機会は無いだろう。だからどっちが依存度が高いかを体感で比較して語る事は出来ないが、ニコチンの方が高いという断片的なデータを強調する行為に疑問を覚える。

「ニコチン依存症患者は重病者であり病院で薬も含めた治療を行わなければ簡単には治せない病気だ」と吹聴すれば儲かる人達がいる。直ぐに思い付くのは依存症の治療を行う医師だが、製薬会社も無視出来ない存在だ。確かに何の知識もなく禁煙を行えば大概は失敗するし既に失敗してきた人は多いだろう。そんな人に簡単にタバコを止められる薬がありますよと囁けば思わず飛び付いてしまうのも分かる。しかし残念だが今の所は魔法の薬や魔法のアイテムは存在しない。例えばニコチンガムやニコチンパッチという禁煙補助薬がある。テレビCMもやっているから認知度は高いだろう。しかし結局はニコチンを摂取する訳だからタバコを習慣的に吸っている人には効果があってもニコチン依存症の治療としての効果は疑問だ。タバコ依存は脱したが今度はニコチンガムが止められなくなったという人も少なくないのだ。煙を吸うよりはマシだと一見思うが、再びタバコに戻ってしまう事例も多いと聞く。他にチャンピックスが有名だがこれは絶対に止めておいた方がいい。もし重病でもない限りはチャンピックスをやるぐらいならタバコを吸い続けるべきだ。どうしてかは副作用をキーワードに検索すれば直ぐに分かる。

タバコ依存症

禁煙補助薬や禁煙補助グッズに関しては別のページで詳しく書くとして、タバコ依存症とニコチン依存症との関係についても書いておこう。えっ、どっちも同じ意味でしょと思うかもしれないがタバコ依存症とニコチン依存症はこのサイトでは別の症状として扱っている。喫煙者が朝起きたらまず最初にタバコが吸いたくなるという話は何度かしてきたが、この感覚は典型的なニコチン依存症の症状として説明出来る。6時間だか7時間だかの睡眠中はニコチンが切れていたのだから欲しくなるのは当然だろう。しかしタバコを吸いたくなる衝動の中にはニコチン依存症では説明出来ない事例が幾つかある。例えば食後の一服がそれだ。ニコチンが脳内に作用してドーパミンを放出させ報酬感や達成感を喫煙者に与える仕組みはニコチンのメカニズムで書いたが食事という本来幸せな行為の後にニコチンが欲しくなるメカニズムが説明出来ない。例えば食事が不味かったとしよう。凄く不味い飯で不快でストレスだったらニコチンが欲しくなる衝動は納得いくのだが、凄く美味しい料理であっても食後に一服するだろう。食後が丁度前回の喫煙から1時間ほど空いていたというなら納得だが、食事が10分で終わろうが30分掛けようが前回の喫煙から空いた時間に関係無く食後に吸いたいのだ。しかし不思議と食事中に吸いたいと思う事は特殊な場合を除けばまず無い。

私は特定の状況に対して喫煙したくなる衝動、自然に喫煙している行動を習慣的タバコ依存症と名付けて定義している。そしてこの習慣的タバコ依存症は単なる癖だと思っていたら意外にやっかいな存在だ。私の場合、朝起きたらまず1本タバコを吸う。これはニコチン依存症からくる行動でもあるが習慣的タバコ依存症による行動でもあるのだ。そして大便の時や後にもやはり吸うし、コーヒーを飲んでいる時にも吸う。これは前回の喫煙から空いた時間に関係無く吸いたくなるのだからニコチン依存症とは明らかに別なのだ。そしてその逆もある。全く吸いたいと思わない場所や行動、例えば少し上に書いたが食事中に吸いたいと思う事はまず無い。レストランで次から次に出てくるご馳走をたっぷり時間を掛けて食べたとしよう。いつもなら前回の喫煙からタバコを吸いたいと思う間隔が空いていても、ご馳走を食べている私はタバコの事など頭に無いのだ。そして食後に、ふと吸いたいとタバコの事を思い出すだろう。他にも入浴中に吸いたいと思った事も無い。私はかなりの長風呂だがやはり頭の中にタバコの事なんて微塵も無い。つまりタバコを吸いたいという感覚や衝動はニコチン依存症だけでは説明出来ないし、吸いたい気持ちはある程度はコントロール出来るものだと考えるべきだ。

ここから再び麻薬の話に少しだけ戻ろう。ニコチンはヘロインやコカインより依存性が高く簡単には止められないって?本当に?この話を嘘とは断言出来ないが、どのような方法で計測してそう言い切っているのか。ニコチン中毒者の禁煙の意思は「このまま吸い続けるといつか病気になりますよ」と「肺気腫が進行しています、このまま吸い続けると酸素吸入器に一生お世話になる未来が待っています」では絶対的に決意の差が違うのだ。健康の為にタバコを止めましょうでは中々止められない人が多いのは事実だが、緊急性が高い場合はタバコをあっさり止められる人は非常に多い。これは完全に自分を見失った違法薬物の乱用者とは大きく異なる部分だ。そう、タバコ依存症、ニコチン依存症は自分でコントロール出来る中毒なのです。この事については次のニコチンと禁断症状で深く掘り下げていきます。

トップページニコチン依存症と麻薬(今のページ) > ニコチンと禁断症状(次のページ)