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タバコ

禁煙を難しいと思わせる罠

ここまで簡単な禁煙法の各ページを順に読んできた読者の方の中には、そろそろ本気で禁煙してみようという意欲が出てきた方も少なくない筈ですが、タバコに対する間違った知識や思い込み周りの環境によって禁煙を難しくする場合があります。

禁煙は誰にでも出来る

今まで禁煙に何度か挑戦して失敗してきた方は禁煙が難しい物だと思い込んでいる。根性だとか強い意志が無ければ成功出来ないと思っている。そして問題なのは周りの人も根性や意志が弱いから禁煙出来ないと思っている。特に一切喫煙経験の無い人はタバコの止められない喫煙者が非常に弱くてだらしない人間に見えてしまうだろう。そして喫煙者はそう見られたくないから心の隅で小さく止めたいなと思っていても実行出来なかったりする訳だ。「また失敗したらカッコ悪いなぁ~」と考えてしまうと、「こうなったら吸い続けよう」と自暴自棄になりがちだ。

喫煙者は禁煙への挑戦を24時間挑む事が出来る。これはエベレストへの登頂やフルマラソンの完走への挑戦と違い、思いついたらいつでも手軽に出来る挑戦なのだ。禁煙の成功の定義は永遠に吸わない事であり5年、10年禁煙し続けても吸ってしまえば結果的に失敗になる。そして再度挑戦してもこれが中々上手くいかないと言われている。とても簡単に始められるが先はとても長い。終わりの見えない挑戦は気持ちを維持出来ない。なるほど、だから禁煙は難しいと考えられている訳だ。

じゃあこうしよう。貴方には何度でも禁煙への挑戦権があります。禁煙開始1時間後に失敗してもタバコを消して1分後に再挑戦を認めましょう。別にそれでいいじゃないか。1時間で失敗しても1時間は成功したと言えるわけだ。例え貴方の家族や友人が貴方を根性無しだと笑っても、私は挑戦者に惜しみない拍手を送りたい。禁煙で最も重要なのは止めたいという意思がある事だ。これを根性だとか強い意志だとかと勘違いしないでほしい。要は止めたい意思が明確である事で、「タバコは俺のスピリットそのものだぜ」と思っているような人は止められる訳がない。

もう一度繰り返すが重要なのは意志では無く意思だ。止めたいという気持ちがあれば禁煙は誰にでも出来る。但しやっておかなければいけない事がある。ここまでこのサイトの各ページを順にしっかりと読んできた賢明な読者は既に気付いている、若しくは理解している。何故タバコを吸っているのかタバコで得ている物失っている物タバコの正体と洗脳ニコチンのメカニズム依存症や禁断症状の知識、これらを大体理解している事。これが出来ていれば禁煙の成功率はかなり高まっている。何度も繰り返すが禁煙は根性や意志では簡単には止められないのだ。そのやり方で成功した人も沢山いるだろうが根本が間違っている。もし未だに「沢山の喜びと幸福を与えてくれたタバコを仕方なく止めなければいけない」と考えているなら何も分かっていないし高い確率で禁煙は失敗するだろう。止めなければいけない理由は一つか二つかもしれない。大概は健康かお金のどちらかなのは想像に難しくないが止めた方が良い理由なんて一杯あるじゃないか。そして吸い続けた方が良い理由なんて一つでも見付けるのが難しいじゃないか。それが分かっていない方は今一度タバコを吸い始めたきっかけから順に読み進めてほしい。

高確率で禁煙に成功している人達

私が昔読んでいたとある医者の本の中に面白い話があったのだが、一部の人達を対象にした調査で喫煙者が禁煙に成功した確率が80%という驚くデータが出てくる。さて、その一部の人達とはどんな人達なのか。僧侶?教師?医者?看護婦?製薬会社の社員?いいえ違います、答えは妊婦さんです。なるほどと思った人は多いだろう。喫煙が胎児に大きな悪影響を与える事は知っているだろうし、例え知らなくてもその事は医者から指導されるだろう。

私の想像では妊婦の禁煙は一般人よりずっと難度が高い。例えば禁煙補助薬は一切使えない。ニコチンガムはニコチン自体が毒だし多くの副作用が報告されているチャンピックスなんてもってのほかだ。しかも喫煙以外に食べ物、飲み物にも気を付ける必要があるし日常的にストレスが増えるのも想像出来る。しかも彼女達は禁煙指導は受けるだろうが大概は私が否定的な根性式禁煙法だ。にも関わらずこの驚きの成功率は正に愛のなせる業と言えるかもしれない。

しかしだ、出産後についつい吸ってしまい喫煙者に戻ってしまう事例も多いらしい。「自分は生まれてくる子供の為に十分に頑張った、十分に耐えた、もう吸っても大丈夫だろう」。もちろん赤ちゃんの前では吸わないだろうが、せっかく禁煙していたのに喫煙者に戻ってしまうのは不幸だ。所謂ニコチン依存症はとっくの昔に脱しているので心理的問題である習慣的タバコ依存症なのかもしれない。私が思うにこの不幸は知識不足と認識不足からくるのだと考える。妊娠をきっかけに禁煙して出産後もずっと禁煙し続けられる人は根性や忍耐力の高い人なのか?確かにそういう人もいるかもしれないが、私は気付いた人たちだと考えるのが自然だと思う。「タバコなんて何もいい事がなかった」。この気付きがあればタバコを頑張ってきた事へのご褒美にする事がおかしい事に気付く筈だ。そしてタバコの真実に気付いた人はタバコを吸えないと思っているのでは無く吸う事が馬鹿らしい行為だと正常な認識があるので、耐える事も我慢する事もなく自然と禁煙が続くだろう。

禁煙には周りの理解と協力が必要だ

禁煙の成功率を高めるには本人のタバコを止めたいという意思、タバコへの知識、認識、理解の必要性といった事を挙げてきたが、自分だけでなく可能な限りは周辺の人達に理解と協力を求めたい。例えば家族や職場に喫煙者がいる場合はちょっとやっかいだ。自分がタバコを止めても近くに吸う人がいれば場所とタイミングによって副流煙を吸う事になる。因みに副流煙とはタバコの先から出ている煙の事だ。そして当然だが副流煙にもニコチンやタールは含まれているし何よりフィルターを通していない分、同じ量を吸えば副流煙の方が体に悪い。本人が禁煙により直接タバコを吸わなくなってもタバコの副流煙を吸ってしまっていては全く禁煙にならないのだ。そしてニコチンが体からいつまで経っても抜けなければ常にニコチン依存症の状態が続き苦しみ続ける事になる。一緒に禁煙しようと誘ってみるのも手だが、こればっかりは当人の意思が無ければどうにもならないので、自分の周りでは吸わないようにお願いする他ない。

不思議な事に喫煙者の中には禁煙挑戦者を邪魔しようとする輩がいる。もちろん喫煙者であっても目の前で吸わないよう配慮してくれたり頑張れと応援してくれる協力的な人もいるのだが、どうせ続かないから1本吸えよと誘惑してきたりもする。これは単なる悪戯を楽しんでいる心理なのかもしれないが自分だけ取り残されたくないという恐怖からの行動かもしれない。自分一人がダメな人間だと思うと辛いが、同じダメ人間の仲間がいると心強い、もっと言うと自分よりダメな奴が身近にいたら落ち着くのは下衆ではあるが誰にでも存在する心理だ。そして喫煙者にとって近年はどんどん肩身の狭い社会に変化しつつある。若かりし頃にお洒落だと思っていたタバコが不潔で迷惑な象徴になりつつあるのだ。もし禁煙を邪魔してくる迷惑な悪友や取り残される事に焦っている会社の同僚がいたらこう言ってやればいい。

「もう僕は気付いたんだ、君はまだ気付かないの?」

さて、ここまで読んできた方は既に禁煙する気満々だと思いますが実はまだちょっとだけ準備が必要です。禁煙はいつでも始められますから焦る必要はありません。どうせ長年吸ってきたのだからまだまだ吸い続けても大丈夫。タバコの煙に含まれる200近い致死性有害化学物質の味を堪能しながら、もう少し禁煙前にタバコの事を勉強しておきましょう。

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